秋の叙勲の発表がありました。兵庫県とゆかりのあるフランス人が受賞したのでご紹介。
旭日小綬章を受賞したのは、ピエール・スーラージュ(Pierre Soulages)氏。100歳の現役画家です。一貫して黒にこだわり、黒のみで様々なニュアンスを表現する「黒の画家」として知られています。今回はフランスと日本の文化交流に貢献した、ということで受賞しました。
スーラージュ美術館訪問時、解説してくださる館長
そんな彼の出身地は、兵庫県の友好交流先であるアヴェロン県。県庁所在地のRodez(ロデズ)には彼の名前を冠した「スーラージュ美術館」があります。2018年、スーラージュ美術館へ県立美術館所蔵作品を貸し出して「具体・空間と時間展」を開催しました。
ここで、兵庫県とアヴェロン県の友好交流の歴史を少しご紹介。
アヴェロン県は、フランス南部・オクシタニー地方に位置します。オーブラック地方自然公園があり(アヴェロン県以外にも2県をまたぐ形で位置しています)、チーズをはじめオーブラック牛といった畜産業が盛んで自然豊かなことから、自然とのふれあいをテーマにした交流を促進するため、2000年に「経済・環境・学術・文化についての共同の取り組み」にかかる調印文書を交わしました。
2013年には、ベルキャステル村に「アヴェロン・ひょうご友好の橋」が架けられました。新しい橋を建設するにあたって兵庫県パリ事務所が「ユニバーサル社会」の考え方を紹介したところ、これがベルキャステル村に受け入れられ、老若男女問わず誰でも安全に渡れる橋として設計されました。
今年の8月には、Laguiore村チーズ製造組合が主催した「日本酒×ライオルチーズ マリアージュの会」に参加し、兵庫の日本酒をPRしてきました!
Laguiore村はラギオール、ライオール、ライオル…など様々な読み方がありますが、地元では「ライオール/ライオル」と呼んでいます。この村は、Rodez(ロデズ)から車で約1時間の山あいに位置する人口1,200人ほどの小さな村。この村の特産といえばナイフ。蠅(ミツバチという説もあるようです)のモチーフがあしらわれたもの、といえばピンとくるかたもいるはず。自然豊かな地域ということもあり、畜産業も盛んです。
ライオル村は、石造りにうろこ瓦の家々が豊かな自然に映えています
マリアージュの会でプレゼンテーションを行ったのはKura Master主催者のかたで、ワインと日本酒のプロフェッショナル。ペアリングに登場した7銘柄の日本酒のうち、兵庫のものは2銘柄。また、酒米「山田錦」について「兵庫県産のものは、ワインでいうところのグラン・クリュ(特級畑=特に高品質なものを生産している畑)の酒米」とご紹介いただきました。
参加者には、ライオルでレストランを営むミシュラン三ッ星シェフやソムリエもおり、熱心にメモを取っていました。ほとんどが日本酒については詳しく知らないとのことでしたが、チーズとのペアリングは好評でした。日本酒とチーズ、意外な組み合わせに見えるかもしれませんが、これがすごく合うのです!
日本酒の解説と、テイスティングしながら耳を傾ける参加者
今年、アヴェロン県との友好交流20周年を迎えます。これからもさまざまな分野で交流を続けられたらと思います。
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